
視察を終えてホテルへ帰る道中にロンボック島の原住民の村であるササック村というところへ案内されました。
ここに住む人々は織物で生計を立てていると聞いたのですが、実際は観光客向けのツアーコースのようなもので、要するにお土産屋さんです。村の若者が、織物を織る機械を実際に体験させてくれたり木彫りの民芸品についての説明をいろいろしてくれたのですが、最終的に案内されたのが土産物小屋で、「あれ買え、これ買え」と盛んに商品をすすめてくれます。そもそも、織物には興味が無いので買うつもりは無かったのですが調子に乗って値段の交渉をしてみると、どんどん金額が下がっていきました。でも結局は買わなかったですけどね。村をでるときに案内してくれた若者に、森林局の人がチップ(ガイド代?)をこっそり渡していたのが印象的でした。

次に我々が向かったのが、アグロフォレストリーとその研究所です。アグロフォレストリーとは、森林の回復と農業の共生を行っている地区のことです。森の木々を守るのと同時にその環境で育てることができる農作を行うことで、森と人(地元農民)との共生をしようという試みなのです。
アグロフォレストリー区域は、細い山道を進んだところにあります。途中にある研究所の中までは入りませんでしたが、職員の方が一緒に車に同乗してくださり、途中で何度も車を止めていろいろ説明をしてもらいました。そのとき雨が降っていたのですが、そこで農作業の帰りだと思われる人々が、頭に大きな葉っぱを傘代わりにして歩いていく姿を多く見かけました。彼らは、脇に持てるだけのバナナやお芋を抱えています。こんな森の中で、「バナナや芋が育つんだなぁ」と、とても感心してしまいました。
アグロフォレストリーは他で見てきた植林地と同じく国営地であるため、本来は人が入ってきて農作物を作ることはできません。もともと緑が少ない土地であるのに、材木を売ってお金を得ようとする人が絶えないため、農家の人たちにその土地に適した農業を行うことを認める代わりに森を管理してもらっているのです。しかし、森林再生を目的にしているので当然伐採禁止である区域であっても、いたるところに木を切り倒された跡があったのには驚きました。職員の方の話では、外部の人がここで材木を目的に木を切っているのを見つけられると警察に捕まって罰せられるのだけれど、地元の農民が生活のために、時として守るべき木を伐採することがあるというのは、国や警察も知っていながら少々は黙認しているという事が驚きでした。この国に限った話しではないのでしょうが、なんとなくですが、「環境を守る」ということにも本音と建て前があるのだなぁと感じたのを覚えています。
アグロフォレストリーってなに?
アグロフォレストリーとは農業(アグリカルチャー)と林業(フォレストリー)の2つの言葉から生まれた合成語です。
1つの土地で、農業と林業を行う複合型の土地利用形態のことをアグロフォレストリーといいます。
森に様々な種類・高さの植物を植え、自然の森に近い状態で栽培を行います。
メリットは?
自然界には、大きな木の陰で育つ植物、お互いに必要な栄養素を補いながら成長する植物など、様々な植物
が存在します。森に様々な種類・高さの植物を植え、森の本来の姿を再現することで、植物は生き生きと育ちま
す。これは生態系の活性化につながります。